令和2年1月1日 院長 長谷川 純一
新年明けましておめでとうございます。皆様健やかに新年を迎えられたこととお慶び申し上げます。今年も皆様にとって明るい1年になる事を祈ります。
昨年は令和元年となり、新天皇の即位に関連しためでたい行事が続き、日本にとって明るい時代の幕開けとなる事が期待されました。しかしながら一昨年から続く台風や集中豪雨による甚大な被害は止まることを知らず、今夏の東京オリンピックは、夏の高温からマラソンと競歩の競技開催場所が札幌に変更になるなど未曾有の出来事が続いています。国連気候行動サミットで温暖化対策の必要性を訴えるスウェーデンの16歳少女の演説や、少しでも地球温暖化のスピードを遅くしようと締結されたパリ協定に対し、根拠のないデタラメとして聞く耳を持たないトランプ大統領のどちらが正しいかは歴史しか証明できないものの、現在の知見で最良と思うことに従って行動するしかないと思います。ただ、現状では、どうあがいても現在の温暖化傾向は進むようであり、海水温の上昇による気候変動が続くものとし、日頃からの危機管理の大切さを再確認したいと思います。
米子市は2019年1月に新しい洪水ハザードマップ(洪水避難地図)を作製し配布しています。これまでのマップは、河川整備の目標とする降雨(計画規模)を基に作成していたものの、近年の度重なる災害を受けて、2015年に改正された水防法に従い、想定しうる最大規模の降雨(想定最大規模)を基に浸水想定区域を作成したというものです。それによると米子医療センターは床上浸水の可能性も考えなくてはならないようです。原子力発電所の津波対策のような防水対策は困難としても、策定が急務とされる BCP (Buisiness Continuity Plan、事業継続計画)に関連して、全く避けて通れないものがあるかも知れません。いずれにしましても日常業務における医療安全や感染対策に加え、自然災害時等の危機対策も整備して行かなければなりません。
国立病院機構全体としての経営状況が、一昨年は計画を前倒しにして黒字に転換していましたが、昨年は再度赤字が見込まれ、厳しい声が伝わってきていました。幸いにも当院は、昨年も職員が One team となって職務に励んだ結果として、同規模の機構内病院トップの経営評価を受けることができました。そこで、これまで余りに古い物品や医療機器に苦労してきた部分がありますので、黒字部分を可能な限り利用できればと考えています。
また、昨年は地域医療構想に関わる色々な議論があり、公的医療機関に激震が走りましたが、当院は、ほぼ2025年構想に沿って、また、第4次中期計画の2年目として働き方改革を進めつつ、医療機能の充実に向け手を尽くしたいと思います。
今年も皆様のご指導・ご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。