放射線科
担当医師 | 杉原 修司 診療部長 | ||
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吉田 賢史 医師(非常勤) | |||
坂口 弘美 医師(非常勤) | |||
医師紹介 | |||
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主に扱っている病気 |
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診療方針 |
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診療内容 |
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【他の医療機関からの放射線検査予約(TEL又はFAX)の受付】 地域の医療機関の先生方の、診療支援として医療機器の共同利用を行っております。 |
放射線科で行う検査について
1.一般撮影
X線を用いて人体の写真を撮影します。
撮影は、頭部から胸部・腹部・骨盤部・足の先端まで体の全領域が対象になります。特に、乳房撮影、歯科撮影、骨密度測定等では専用の装置を用いて撮影します。当院ではこれら専用装置もそろっています。
〇骨密度測定〇
この検査では骨密度を測定、評価することで骨粗鬆症の診断を行います。
当院では本検査を平成26年7月より開始しました。測定はDXA法を用い、撮影台に寝ていただいた状態で、腰椎または股関節を測定部位として撮影します。検査時間は5分程度です。
※DXA法(二重エネルギーX線吸収測定法)は、2種類のエネルギーレベルのX線の透過率の差を利用して測定する精度が高い骨密度測定法です。
〇乳房X線撮影〇
当院では、乳房用X線撮影装置(マンモグラフィ撮影装置)を導入しています。近年乳がんは増加傾向にあり、乳房専用のX線撮影装置を使用した乳がん検診・精密検査が広く行われています。この装置の導入により、視・触診や超音波では分からないとても小さな石灰化や腫瘤の描出が可能となり、早期乳がんの発見が容易になります。
2.CT検査
X線を人体にあてながら体内の情報を集め、コンピューターで処理することにより、人体の横断面(輪切り)の像を撮影する検査です。
人体をらせん状の軌跡で撮影することからヘリカル(らせん状の)CTと呼ばれています。ヘリカル高速撮影等で得られた連続画像を3D処理することにより、血管・組織や骨形態を立体的に観察することができるため、病気の発見だけではなく手術の際の位置情報の確認などにも用いられています。
また、CT検査では、病気を分かりやすくする薬(造影剤)を注射して検査することにより、血管内や各臓器の血流状態が分かり、診断上、有益な情報を得ることができます。しかしながら、造影剤を使用する検査は、すべての患者様に行われる訳ではなく、担当医が危険性よりも有益性の方が大きいと判断した場合に、行われます。検査時間は、検査の内容や検査する部位で異なりますが約10〜20分程度です。
当院では、平成26年7月より最新の64列マルチスライスCTに更新し、検査を行っています。
近年画像技術の進歩により、心臓カテーテル検査でしか評価できなかった冠動脈(心臓の血管)をマルチスライスCTで評価できるようになりました。心臓CTではカテーテルを血管内に挿入する必要がないため、低侵襲で体への負担が少ない検査を行うことができます。画像処理専用のコンピューターにより3Dで画像を表示することができます。
3.MRI検査
MRIとは(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像)の略称です。非常に強い磁石と電波を利用して、人体の様々な断面を撮像する検査です。当院では1.5テスラのMRI装置が稼動しており、様々な部位・疾患に対して必要な情報を提供しています。
特徴としては、磁石の力を使っているため、放射線による被曝がありません。CT検査よりも軟部組織の情報がより詳しくわかり、造影剤を使用することなく血管を描出することができます。しかし、CTに比べ検査時間が長く、大きな音がします。そのため患者さまがリラックスできる体の位置決め、耳栓やヘッドホンによる騒音の軽減など長時間の検査でも負担を減らすよう心がけています。
【MRI撮影例】
4.RI検査
放射性医薬品(放射性同位元素Radio Isotope:以下 RIを含んだ薬)を使用する検査です。検査で用いるRIの半減期は約6時間から1週間程と非常に短い元素を利用しています。
体内に入れた薬からは、微量のガンマ線という放射線が放出されます。その放射線を専用のカメラ(ガンマカメラ)で検出し、臓器の形や働きの程度をみたり、臓器の断層像を作るなど特定の臓器を詳しく調べます。調べる臓器により、骨をみるときは骨シンチ、心臓は心筋シンチ、脳の血流は脳血流シンチなど、○○シンチという検査名になります。
人体への影響について
検査に使われる薬からは、ガンマ線という放射線が出ます。
その量はごく少ない量で検査を受ける人自身や周辺の人への影響はほとんどありません。
放射線の量は、胸や胃のX線検査と同じ程度なので、安心して検査を受けることが出来ます。 また、検査に使われる薬の放射線の量は、時間とともに減少していくので、後々まで放射線が残ることはありません。検査薬はその化学的性質に従い体内で代謝され、尿・汗・呼気・唾液・糞便等とともに徐々に体外へ排出されます。
この検査を受けるにあたってはあらかじめ予約が必要です。 これは検査に用いる放射性医薬品の有効期間が非常に短く、保管ができないためです。このため検査にあわせてメーカーに放射性医薬品を注文します。しかも大変高価なものです。したがって、検査直前のキャンセルや延期は、高価な放射性医薬品を使用せず廃棄しなければならないことにもなりかねません。検査の変更が生じたときは遅くとも前日には連絡して頂きますようお願い致します。
放射性医薬品を投与された患者さんからは、RIが体内にあるうちは、常に放射線が放出されています。しかし、問題となる量ではないので心配はいりません。授乳中の女性がRI検査を受けた場合は、使用した放射性医薬品によっては、母乳にRIが混入する場合もありますので、授乳はしないようにすることが必要です。
また、乳幼児を長時間抱くこともさけたほうがよいでしょう。
5.放射線治療
治療はエネルギーの高い放射線を使用して病気を治します。
正常な細胞が受けるダメージを極力少なくし、病変部に多方向から集中して放射線が照射出来るよう精度の高い治療計画が行われることで外科的手術に匹敵する治療効果も期待できます。
また、放射線治療は単独であるいは手術や化学療法と併用して用いられ、その最大の特徴は形態と機能を温存出来ることにあります。
当院においても放射線治療の精度向上と最新の癌治療に対応するため放射線治療装置(リニアック)を更新しました。
エレクタ社製(イギリス)の装置で治療部位や目的に応じて数種類のエネルギーが選択できます。従来の装置では矩形の照射野(実際に放射線が照射される範囲)しか形成できませんでしたが、現在の装置ではマルチリーフコリメータと呼ばれる機能を備えており、多角形の照射野形成も可能になり正常組織の被爆を最小限に抑えながら腫瘍のみをピンポイントで治療出来るようになりました。あわせて、治療計画専用コンピューターも備えていますので、CT装置とオンライン接続することで、その画像情報を基に精密な三次元的(立体的)治療計画を行うことが出来ることも特筆すべき進化といえます。
6.血管撮影
血管撮影室では、心臓カテーテルをはじめ、抗がん剤動注療法、血管塞栓術、血栓溶解術、血管形成術、ステント留置術、リザーバーシステムの埋め込み術等IVRのテクニックを駆使して診断・治療を行っております。
IVRとは外科手術のようにおなかや胸を切らずに、体の奥にある臓器や血管の治療ができる方法です。また、医療器具を入れる穴も数ミリ程度と小さく、器具を抜いた後は縫う必要もないので(絆創膏を貼ります)、処置後の傷もほとんど残りません。
2019年9月より装置が新しくなり、少ないX線量で高精細の画像を観察・撮影できるようになりました。