新病院を活かして地域に貢献
米子医療センター 院長 M副 隆一
新年明けまして、おめでとうございます。皆様におかれましては、健やかに新年を迎えられたこととお慶び申し上げます。今年もよろしくお願い申し上げます。
1昨年12月の衆議院選挙、昨年7月の参議院選挙では、争点を景気浮揚策のアベノミクスだけに絞り、重要な政策課題は封印されてきましたが、「一強体制」が確立するや否や、原発回帰や原発輸出の準備が進められ、ついに政権公約にもなかった特定秘密保護法が早々と成立しました。さらに、共謀罪の創設や憲法改正論議も浮上しており、国家重視の姿勢が強まることに一抹の不安を覚えます。
一方、医療法改正法案が今年の通常国会に提出される見通しで、医療制度改革の動きが活発になってきました。改正の目的は、団塊の世代が後期高齢になる2025年を見据えて、社会保障と税の一体改革で示された「医療提供体制」を実現させることにあります。その手段として、「病床機能の報告制度」がまもなく始まりますが、この報告に基づいて、将来的に必要な病床数を示した「地域医療ビジョン」を都道府県単位で定め、その計画に沿って病床再編を行うというものです。病床機能の変更により提供できる医療内容が大きく変わりますので、地域医療への影響は少なくありません。地域の医療ニーズを十分に計り、当院の強みを活かせる方向を見定めたいと思います。
さて、当院の新病院建設の進捗状況ですが、現在第2期工事中で、8階建ての鉄骨の枠組みが積み上がり、半年後(平成26年6月)に完成する予定です。病院の遠景を示しますが、現病院の高さが22m であるのに対し、新しい病院では高さが 42m で、ほぼ2倍近い高さになります。また新病院では、大型医療機器はすべて更新され、新規に電子カルテも稼働いたします。新病院という資源・財産を最大限に活かして、病院機能と医療の質を向上させ、地域に貢献していきたいと思います。暖かいご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
地域がん診療連携拠点病院の再指定を受けて
当院は平成17年1月17日に鳥取県西部地区の地域がん診療連携拠点病院の初回指定を受けました。その後地域の医療機関と連携を取りつつ、緩和ケア、放射線治療の充実、鳥取県最初のがん患者サロンの開設、がん相談支援センターの設置と着実に歩んできています。
今後も、都道府県がん診療連携拠点病院の指定をうけた鳥取大学医学部付属病院、並びに地域の医療機関との連携をより一層密にし、西部地区のがん診療の向上に取り組んで行きたいと思います。