明けましておめでとうございます (平成20年1月)
院長 M副 隆一
平成20年の幕開けにあたって、年頭のご挨拶を申し上げます。
院長に就任して早1年が過ぎました。米子医療センターは、独立行政法人(独法)化されて5年目、次の中期計画に名乗りを上げる勝負の年を迎え、身も心も引き締まる思いで新しい年を迎えました。今年も精一杯努力して参りますので、よろしくお願い申し上げます。
昨年は病棟集約をはじめ若干の組織変更があり、職員の皆様には少し戸惑われたかと思いますが、がん患者サロンやがん相談支援センターなどの新しい機能が加わり、地域連携室の機能充実など、病院としての機能は明らかに向上して参りました。さらに、患者満足度調査では、職員ひとりひとりの自覚と努力の甲斐あって、外来部門はNHO(旧病院)56病院中7位、入院部門は26位と、昨年度に比して大幅に躍進しました。たゆまぬ努力が必要な分野ではありますが、患者様の満足は医療スタッフにとっても大きな喜びですし、何よりも地域に生きる病院として一歩を踏み出せたことに、心より感謝申し上げます。
我が国では財政再建が叫ばれる中、患者負担の増大,少子高齢化時代に対応した保険制度の見直し,さらには混合診療の導入など,社会保障制度自体が大きく変革されようとしています。 また、医師不足に伴う診療機能の偏りや度重なる診療報酬のマイナス改訂により、病院の経営環境は厳しさを増し、昨年後半に発表された独法改革の整理合理化計画(案)や公立病院改革ガイドライン(案)では、地域の実状に合わせて病院機能を見直し、同時に持続可能な医療提供体制を作る動きにあります。 病院を継続して運営するという観点では、NHOの理念にもありますように、経営の健全化は避けて通れませんが、健全化の名の下に医療サービスが低下することはあってはなりませんし、患者さんが真に求めて居られるのは安全で質の高い医療であることを肝に銘じたいと思います。
米子医療センターは大きな岐路に立っています。ひとつは病棟建て替えを踏まえた再生プランを実行可能にすること、残るひとつは地域の中で価値ある病院として選ばれることです。 これら2つは別個独立した要素ではなく、患者さんを中心とした医療の実行と業務改善により達成出来るものと思います。 私たちは昨年、「がん医療」と「腎医療」を診療の柱として病院を運営していこうと誓いました。「がん医療」に関しては、鳥取県西部地域のがん診療連携拠点病院に再び指定されることになりましたが、地域で競合する3病院の中からただひとつ選ばれたことは、職員の皆様の前向きな取組と実績が評価された結果であると喜んでいます。 しかし、地域の医療計画の中で中心的な役割を果たし続けることは容易ではありませんし、さらに、がん診療連携拠点病院の指定要件はますます強化されつつありますので、私どもとしてはがん診療の拠点としての機能をさらに向上させるべく努力していかねばなりません。 また、「腎医療」に関しては、腎移植推進という鳥取県知事の議会答弁を契機に、県では臓器提供を活性化させる兆しにあり、県内唯一の腎移植施設である米子医療センターへの期待は高まっています。しかし、献腎ドナーの掘り起こしは、米子医療センターだけの努力では実現しませんので、近隣の高次機能病院と連携する中でドナーアクションを進めて参りたいと思います。
今年は、2月には病院情報システムが更新され、さらにDPC準備病院への参加やSPDの導入など、病院として取り組むべき組織的課題が計画されています。
職員の皆様からのご意見やお知恵を拝借しながら、力を合わせてこの困難を乗り越えていきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 最後に、皆様にとって輝かしい年となりますようお祈りいたします。