ページタイトル軟部組織がん

現状

軟部腫瘍は骨・軟骨以外の軟部組織(筋肉、脂肪、血管など)に由来する腫瘍であります。軟部腫瘍の組織別発生頻度は正確にわからないのが現状であります。

良性軟部腫瘍では脂肪腫と血管腫が多く、悪性軟部腫瘍では悪性線維性組織球腫が約25%を占め、脂肪肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、滑膜肉腫と続きます。

症状

軟部腫瘍は痛みのないかたまりで気づかれる場合がほとんどであります。かたまりの発育が急速であるほど悪性の可能性が強く、初診時の大きさも悪性腫瘍の方が良性腫瘍に比べ大きい傾向にあります。

検査

臨床症状で組織型まで確定することは不可能で最終的には病理組織学的所見(顕微鏡検査)にて診断します。日常の診療では腫瘍が良性か悪性か推定することが重要であり、補助診断法としてX線撮影またはゼログラフィ、シンチグラム、CT、MRI血管造影、細胞診などがあります。

治療

軟部腫瘍に関する一般の関心は薄く、安易に摘出が行われ何回か再発を繰り返すことがあります。また遠隔転移により死の転帰をたどることもあります。

予め生検を行い腫瘍の組織像を十分に検討した上で治療法を選択する必要があります。良性腫瘍は局所切除で十分であります。悪性腫瘍では腫瘍の進展状況、組織学的悪性度を加味し病気を分類します。

一般に切除術が行われますが、原則として周囲の組織も含めて腫瘍を切除します。補助的治療として化学療法、放射線療法があります。

受診の手順

受診科:整形外科