乳腺がん
現状
乳がんは、日本人の女性では胃がんの次に多いがんです。毎年やく2万人の女性が乳がんにかかり、その数は毎年少しづつ増えており、西暦2000年には胃がんを抜いて女性で最も多いがんになると考えられています。
がんにかかりやすい人を「リスクの高い人」と言い、母親や姉妹に乳がんになった人がいる場合は、乳がんのリスクが少し高くなります。
また、高カロリー食、高脂肪食をよくとる肥満ぎみの女性や、閉経年齢の遅い人、子供の数が少ない人やいない人、最初の出産年齢が遅い人もリスクが高いと言われています。男性乳がんもありますが、女性の100分の1位の発生率です。
乳がんも他のがんと同様に、見つかれば手術や放射線治療により治すことができます。
症状
乳房のしこり
乳がんは5〜10mm位の大きさになると、さわる様になりますが、しこりが全てがんではありません。
乳房のえくぼ等の皮膚変化
乳がんが皮膚近くに達しますと、えくぼの様なくぼみができたり、皮膚が赤く腫れたりします。また、乳頭がひっこんだりします。
脇の下のしこり
乳がんが脇の下のリンパ節に転移すると、しこりが出来たり、リンパ液の流れが悪くなって腕がむくんできます。
乳頭からの異常分泌
太い乳管内にがんが出来ますと、乳頭から分泌物が出たり、出血したりすることがあります。
検査
検査の第一段階として、乳房の診察(視診、触診)を行います。次に、しこりの存在を確認したら、それが良性のものか、がんであるのかを鑑別する検査を行います。
検査の中心になるのは超音波検査、X線撮影、細胞診です。ばあいによっては、CT(コンピュータ断層撮影)も行います。細胞診以外は苦痛の無い検査ですが、補助的検査です。がんを確実に診断するためには若干の痛みを伴いますが、細胞診(穿刺吸引細胞診)が必要になります。
以上の検査は全て外来で出来ます。
治療
がんの治療方法には、外科療法、放射線療法、ホルモン療法、化学療法があります。がんの大きさや進行度により、上記の治療法を組み合わせて治療を行います。
最近は、がんが小さい(2cm以下)場合は、乳房を残す手術(乳房温存手術)が行われます。この場合は、原則として手術後、残っている乳房に放射線照射を行います。乳がんは体表面に近いところに出来るがんの一つですので、早期発見が可能です。
自己検診を含め定期検診を受けることをお勧めします。
受診の手順
受診科:胸部・乳腺外科