肝臓がん
現状
平成6年の鳥取県における肝臓がんの死亡者は、がんの中では胃がん、肺がんに次いで、第3位で、年々増加傾向にあります。
また全国的にみても鳥取県の肝臓がんによる死亡率は高く、全国6位となっています。肝臓がんの95%は、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスのいずれかの肝炎ウイルスに感染している人にできています。
特にC型肝炎ウイルスに感染してから約30年経つと肝臓がんにかかりやすくなります。またB型肝炎ウイルスを持っている人も、たとえ肝機能が正常で健康キャリアと言われている人も肝臓がんを生じる可能性があります。
症状
右脇腹、みぞおちあたりの鈍い痛みや張った感じ、全身のだるさ、微熱が時に認められますが、これらの症状はかなり進行した状態で出てきます。小さながんのうちは無症状です。
無症状のうちに発見することが大切です。
検査
肝臓がんを早期に発見するために最も簡単で有効な検査は腹部超音波検査です。この検査は体外から超音波を体内(肝臓)に向かってあてて肝臓の中を見る検査です。
全く痛みはなく、時間も10分程度で済みますし、気楽に受けられる検査です。皮下脂肪が厚くて腹部超音波検査ではうまく肝臓の中が見えない方、腹部超音波検査で異常が疑われる場合などは腹部のX線CTやMRIという検査をします。どちらも全く苦痛の無い検査です。
これらの肝画像診断に加えて、肝臓がんに特異的な腫瘍マーカーを血液で測定することで1cmくらいの小さな段階でがんを発見できるようになっています。
治療
治療法としては、手術、アルコールを入れて固める治療、血管をつめる治療などがあります。
もとの肝臓が正常か、慢性肝炎なのか、肝硬変なのかによって、あるいはがんの大きさにより治療法はかなり違ってきますが、近年は早い段階で肝臓がんが発見されはじめ、生存率もかなり良くなっており、完全に治ってしまう方もあります。
B型、C型肝炎ウイルスにかかっている人は全く症状が無くても、年に一回は肝画像診断や、肝臓がんに特異的な腫瘍マーカーの検査を受けられる事を勧めます。
受診の手順
受診科:内科(消化器)