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ページタイトル“新たな満足”を創り出す

平成28年4月1日  院長  M 副 隆 一

春になって一斉に草木が芽吹き、つつじや藤の花咲く華やかな季節を迎えました。どの時期に咲く花でも、毎年決まってほぼ同じ時期に花を咲かせますが、咲くべき時をどうやって知るのだろうと疑問に思っていました。日本動物行動学会の初代会長を務められた日高敏隆さんの「春の数えかた」という随筆集に、その答えを見つけました。生き物たちは変動する気温の毎日に反応するのではなく、ある一定温度より暖かい日を積算し、その温量の総和が一定値に達すると、一斉に花を咲かすのだそうです。生き物たちが自然の営みを感じ取って生きている姿に力強さを感じます。

4月の人事異動では、退職または転出の職員が32名、転入と新規採用が合わせて50名に及び、結構大幅な動きになりました。当院のような中小病院では、いずれの部署も全員野球で業務に当たる必要がありますので、新入職の皆さんには早く職場の雰囲気に慣れ、活躍いただくことを期待しています。さて、新しい病院がグランド・オープンして丸1年になり、新病院の価値を如何に高めるか、米子医療センターの真価が問われています。そこで、平成28年度は、病院目標を「新しい満足を創り出そう」と定め、4つの行動目標「患者ニーズの掘り起こし」、「職員のやる気を創る」、「診療情報を活かして部門を運営」、「職種間連携による業務の効率化」を掲げました。新たな満足を生み出すには、患者ニーズを掘り起こすのはもちろんですが、職員が充実した気持ちで、部門間あるいは職種間の連携を図ることが重要になると思います。職員1人ひとりが各々いろんな切り口で取り組み、米子医療センターの価値を高めていって欲しいと思います。

国立病院機構は、1年前の平成27年4月から中期目標管理型の(非特定)独立行政法人になり、職員の身分が非公務員になりました。それに伴い、これまでには無かった「労働保険」を新たに負担することになりました。さらに、「基礎年篝ヲ拠出篝ヲに係る2分の1に相当する額(公経済負担)」は国が負担することになっていますが、国立病院機構に限っては、理不尽にも病院が全額負担することを強いています。したがって、平成27年度は、建物の減価償却費を含め費用が大幅に嵩みましたので、赤字を覚悟していましたが、職員1人ひとりの経営努力が実り、年度決算を黒字にすることができました。今年度は、地域医療研修センターを新たに病院東側に増築整備する計画ですが、診療報酬のマイナス改訂に加え、当院のDPC係数が減算されることになり、厳しい経営が予測されます。職員一同、新しい仲間とともに力を合わせて、基本理念である「地域の命を支える」病院を目指して頑張って参ります。医師会ならびに関係の皆様方には、倍旧のご指導とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。