学内学術集会「伝統を継ぐ学年を超えて看護について語り合おう」に参加して
私は「終末期・看取りの看護」のグループ・ディスカッションに参加しました。
ついこの間まで終末期の実習に行っていたので、その時に受け持たせていただいた患者さんとの関わりや感じた事、思いなどを話しました。グループの中には終末期実習に行ったことが無い人がほとんどだったので、終末期にある患者さんとはこんなことを大切にした関わりをしてほしいという私が感じた事や、後から振り返りもっとこんなことができたのではないかという思いなどを伝え、グループの他の学生から色々と質問ももらい、私自身改めて実習での体験を考える良い機会になりました。
また、私自身は実習中に受け持ち患者さんを看取るという経験はなかったのですが、グループ内の2年生で看取りを経験している人がいて、とても貴重な話を聞く事ができました。「いつ亡くなられてもおかしくない状態が続いていて、きれいな姿で最期を迎える事ができるように、毎日体をきれいにしたり、クリームで保湿しながらマッサージをした。」という話を聞いて、状態にばかり目をやってしまいがちになりそうですが、命尽きる時まで、その人らしく過ごされるように、親族の方が来られても、きれいな姿で会うことができるようにという思いが、すごく良いと思い私の中に強く印象に残りました。意識がないように見えても、聴覚は最後まで残ると認識して声かけは必ずするという、当たり前のことですが大切なことを、改めて確認することができました。
学年を超えて看護について話し合うという機会はほとんどないので、今回の学術集会は他の人の考えや意見を聞くことができる、とても良い刺激になりました。1・2年生には3年生の体験談などをもとに、より良い看護を目指して、これからの実習に備えてもらいたいと思いました。
私のグループのテーマは「がんと闘う人とのかかわり」でした。私は1年生の時に、がんを患う患者さんを受け持った時の経験からの学びを話しました。先輩の話から、同じ「がん」という疾患でも、発生する部位が異なればボディ・イメージの変化に苦しむ方がおられたり、ステージが違えば、緩和ケアが必要であったりと、様々な患者さんがおられ、それぞれに応じた関わりが必要なんだと、とても考えさせられました。また、患者さんやご家族の中には「がん=死」と考えられる方が多いのですが、がんの種類や発生部位、ステージの違いによっては、治療によって完治することもあり得るということを、医療者の立場から伝えることが大切だという事も分かりました。今回は、2・3年生の実習での経験を主に話す場になってしまいましたが、1年生からは「まだ、先だと思っていて、イメージが出来なかった受け持ち患者さんへの看護をイメージする事ができた」という言葉がありました。このことから、今回の学年を超えた語り合いは、有意義なものになったと感じました。また、他のテーマについても、今後このような機会があれば、参加して話し合いたいと思いました。
今回の学術集会に参加して、新しいことをたくさん知ることができました。私は「災害看護」について語り合うグループに参加し、先輩や先生方のお話を聞いて、今までの災害医療に対するイメージから、具体的な想像ができるようになりました。
一番印象に残ったお話は、先輩方が実際に被災地にボランティアで行かれた話でした。私はテレビを通してしか見たことがなかったので、知らない現実に驚くばかりでした。ボランティアをしたい人達をまとめるボランティアがあったり、送られてくる物資の中に必要のないものが入っていたりなど、災害時に人や物を効率よく循環させることが大変であることを知りました。外国へボランティアに行かれた先輩のお話では、順番を守る風習がある日本と違って、外国では「自分を診てくれ」と、皆が寄ってくると聞きました。その混乱の中で誰から診るべきか、物資が足りていない中で何を使って処置をするかなど、冷静な判断力が必要なのだと教えていただきました。また、災害時には看護師だから人を助けるという訳ではなく、動ける人が資格の有無に関わらず、けが人の処置を手助けしていたと聞いて、看護師免許がない私でも、できることがある事を知り、動ける限り自分でできる事はしたいと思いました。どんな状況にも対応できる看護師になるためには、講義や自己学習で知識を身に着け、実習で経験値を高めることが必要だということがよく理解できました。
今回の学術集会に参加して、先輩方は考える視点が鋭くて、考えもすごくて感動しました。自分も先輩方のようになりたいと思う、とても刺激的な時間でした。