3年間を振り返って

卒業生代表

私たち48回生は、3月3日卒業の時を迎えることができました。

  3年前の4月、私たちは看護師になるという思いを胸に新しい一歩を踏み出しました。想像以上の多忙さ、初めて聞く専門用語などに悪戦苦闘しながらの毎日、実技演習では援助を受ける患者さんの安全や安楽を考えることの大切さを学び、先生方に丁寧にご指導いただき一つ一つの技術を身に付けていったことを思い出します。

 私たちは3年間で沢山の患者さんに出会い、多くのことを感じ、学ばせていただきました。より良い看護、安全・安楽とは何か、またどう接すべきか、目標は何かなどを常に考え悩む事、援助や報告がうまくできず落ち込むこともありましたが、一緒に考え、支え合う仲間がいること、患者さんからの感謝の言葉、励ましの言葉に支えられました。そして、どんなに辛いこと、苦しいことがあっても、真面目に取り組み、一緒に乗り越え、笑い合い、助け合い、刺激し合った仲間の存在と、それぞれの生活を陰ながら支えてくれた家族があってこそ、この生活が送れたと、感謝の気持ちで一杯です。

 また、3年間未熟な私達を受け入れてくださった患者さんやご家族の皆様、ご指導くださいました病棟や施設の指導者さんを始めとするスタッフの方々、親身になって相談・ご指導くださいました先生方、私達のために時に涙を流し、多くの励ましをくださった両担任の先生方、私達を支えてくださったすべての方々の助けがあったからこそ充実した3年間を過ごし、無事に卒業の時を迎えることができたと改めて感謝申し上げます。

 在校生のみなさんもこれからたくさんの実習や学校での学習・課題があり、くじけそうになることもあると思いますが、一緒に学ぶ仲間、支えてくださる先生方、家族の方がおられます。一つ一つを大切にし、看護観を養い、楽しみながら学生生活を送ってください。

 今までの一つ一つの出会い、言葉では言い尽くせない感謝の思いを明日への力に変えて、私たち48回生はそれぞれの道を歩んでいきます。この仲間たちと共に過ごしたかけがえのない思い出を胸にそれぞれが新しい環境で邁進していきます。

 最後となりましたが、私たちに多くの学びを与えてくださった米子医療センター附属看護学校の歴史と伝統がいつまでも輝き、発展されることをお祈りいたします。

平成28年度 第48回生 卒業式 式辞

 「梅一輪、一輪ほどのあたたかさ」。これは、松尾芭蕉の弟子、服部嵐雪の詠んだ俳句ですが、寒風の中にも春の息吹を感じる頃になりました。

 本日ここに、多くのご来賓のご出席を得て、第48回生の卒業式を挙行できますことは、卒業生の皆さんはもちろんのこと、私たち教職員にとりましても、大きな喜びであります。また、ご来賓の皆様には、ご多用中にもかかわらず、ご臨席を賜り、厚く御礼申し上げます。また、本式典には卒業生のご家族の方々にも多数ご出席いただいていますが、ご子弟の今日の日を、さぞかし待ちわびておられたことと存じます。真におめでとうございます。

 さて、卒業生38名の胸中には、講義の勉強やレポート作成、病院や施設での実習、あるいは学園祭やオープンスクールなど、これまでの楽しかったり、苦しかったりした沢山の思い出が一気に駆け巡っていることと思います。皆さんには、本校の教育理念である「人間愛に根ざした看護のできる人材を養成する」という方針もとで、この3年間の教育課程を修了され、本日めでたく卒業証書を手にされました。その精神力と努力に心より敬意を表しますとともに、これまで経験したことのない高齢化社会を目の前にして、看護師として羽ばたかれることを、何にもまして心強く思います。

 病院の業務は多くの専門職がそれぞれの機能を担うことで成り立っていますが、それぞれが他の職種とどのように連携するかによって、医療のかたちや効果が違ってきます。そういう中で看護は、医療の高度化・複雑化に対応し、プロ集団として重要な位置を占めるようになりました。一方で、我が国の「医師法」と「保健師助産師看護師法」は、医業の分業化を進める上で大きな足かせとなり、欧米では看護師が行える診療行為であっても、看護師が自律して行うことを規制してきました。しかし最近では、認定看護師、専門看護師さらには特定看護師といった高度専門看護師が領域ごとに養成されるようになり、これからは、限定された看護師業務の枠を越えて、より裁量権を発揮できるような環境作りが進められていくものと思われます。看護師として臨床に進まれる皆さんには、これからの日々を精進する中で、高い専門性を育み、幅広い看護力を磨いて頂きたいと思います。

 さて、皆さんはこれから社会人としての第一歩を踏み出すことになりますが、皆さんがすでに認識しているように、これから飛び込んでいく社会は決して甘い環境や情況にはありません。「念ずれば花開く」という言葉。これは仏教詩人、坂村真民さんの詩の一節です。「念ずる」とは、いつも心に思うことで、ひとつの願い事をいつも心にとめて育むと、やがては成就の花が咲くというものです。しかし、念じることも大切ではありますが、それだけでは願い事を叶えることはできません。ホンダ自動車の創立者である本田宗一郎氏は、何事にもチャレンジすることの重要性を強調し、「チャレンジして失敗することを恐れるよりも、何もしないことを恐れろ。」と言っています。皆さんには、念じていることの条件が整ったと感じたら、失敗することを恐れず、自らの感性に基づいて決断し、何事にも積極的にチャレンジして頂きたいと思います。

 最後になりますが、卒業される皆様には、本校で学んだ誇りと、自ら勝ち取った自信を胸に、これからの人生を有意義なものにして頂きますよう祈念して式辞と致します。

 

平成29年3月3日 

 

国立病院機構米子医療センター

附属看護学校長 M 副 隆 一

クリスマス会を終えて

1年生

平成28年12月21日(水)、米子医療センター2階外来と8階病棟で看護師と学生が協力しクリスマス会を行いました。

1・2年生のリーダーを中心に、患者さんが楽しい時間を過ごせるようにと、師長や看護師と打ち合わせをさせていただきました。短い準備期間でしたが、患者さんに楽しんでいただくためにみんなでアイデアを出し合い、クリスマス曲の演奏・合唱の練習や患者さんに配るプレゼント作りをしました。また、2・3年生には、クリスマスカードやポスター作りについてアドバイスやサポートをしていただきました。

クリスマス会の当日、私は8階病棟を担当し、飾りつけは病棟の皆さんと行いました。初めに1年生8名が、曲紹介などを交えながら「ジングルベル」と「きよしこの夜」を披露し、続いて看護師やボランティアの方々の歌やピアノ演奏が行われ、その間、患者さんにサンタクロースとトナカイに扮した学生からクリスマスカードとプレゼント、病棟からはプレゼントが手渡されました。患者さんにはご家族の他、学生や看護師の皆さんが寄り添い、とても暖かい雰囲気の中で演奏会を行うことが出来ました。

クリスマス会が終わった後には記念撮影を行い、誕生日の患者さんのためにご家族と一緒に皆でバースデーソングを歌いました。

初めてのクリスマス会ということで緊張しましたが、患者さんやご家族の喜んでおられる顔を見て私たちもとても嬉しくなり、学生にとっても特別なクリスマスの思い出になりました。当日は至らない点がたくさんあったと思いますが、病棟の皆さんやボランティアの方々と一緒に、患者さんやご家族との大切な思い出を作るお手伝いが出来たように思います。

宣誓式を終えて

1年生

私は宣誓式を通して、将来看護師になるという思いを改めて確認し、強い決意を持つことができました。

クラス皆で決めたメッセージ性や思いのある曲の流れる中での入場は、皆で何度も練習した宣誓式がいよいよ始まるという感じで、身が引き締まる思いがしました。そして、キャンドルサービスではナイチンゲール像から、自ら持つロウソクに灯をいただきました。ナイチンゲールはロウソクの灯で暗闇を照らしながら病人を看病したと聞いていたので、今日宣誓式で受け継いだ灯はとても特別なものに思えました。ナイチンゲールが持つ深い慈愛の心、全ての人を救いたいという看護の決意や気持ちが、灯を通して伝わってくるようでした。50回生全員が同じ灯から小さな灯をいただく事で、みんながナイチンゲールの意志を受け継ぎ、同じ道を志すという実感が湧いてきました。40個の灯が並ぶ様子は、看護師を目指す新たな思いが、一同にそろったようで、厳かでとても美しい灯でした。

ナイチンゲール誓詞の斉唱では、誓詞の意味を改めてかみしめることができました。50回生全員で声をそろえた誓詞は、とても力強く決意がこもったものに感じました。誓詞に掲げられた看護師像を、将来看護師となって患者さんを支えていく際や、この先実習で患者さんと関わっていく際に活かしていけるよう、心に刻んで忘れないようにしたいと思いました。ナイチンゲール誓詞を唱えることで、看護師を志す者としての自覚がより一層深まりました。

この宣誓式は私にとってとても感慨深く、思い出に残る式だったと思います。先輩方に着けていただいたコサージュの花の、花言葉である「希望」の意味を改めて考え、立派な看護師になろうという決意をしたこの式のことを、これからもずっと大切にしていきたいと思います。

学校祭を終えて

2年生 学校祭実行委員長 

平成28年11月3日、学校祭を無事開催することができました。今年は米子医療センター70周年ということで、病院でオープニングセレモニーをさせていただきました。病院の感謝祭と同時開催となったことで、昨年よりも多くの方々が足を運んでくださり、学校全体が賑やかな雰囲気に包まれました。

今年の学校祭のテーマは「STORY〜歴史と伝統をつむぐ〜」でした。このテーマには、今まで先輩が引き継ぎ、守ってこられた伝統があるからこそ、今の自分たちの学びがあるのだと深く考えさせられたことや、この引き継がれてきた伝統や看護の精神を3年生が2年生に、2年生が1年生に引き継いでいく、そこには、それぞれの看護学生のストーリーがあるという意味がこもっています。

私たちは、学校祭のために夏休みを挟みおよそ半年前から、話し合いと準備を進めてきました。私達2年生が中心となり学校全体を引っ張ることや、自分の思いや考えを言葉や行動で表す難しさ、個人の間でもさまざまな困難が生じ、その準備は決して楽なものではありませんでした。また、10月には実習と重なり準備を並行して進めなければならず、不安が大きくなりました。そんな時支えになったのは、学年を超えたひとりひとりの優しさからなる協力だったと思います。実習や受験勉強で忙しい中、私たち後輩のサポートをしてくださった3年生の先輩方、初めての学校祭で分からないことも多い中、積極的に実行委員と話をし準備を進めてくれた1年生の皆さん、学校行事が重なる中でも声を掛け合いながら支え合うことができた2年生、最後まで支えて下さった先生方、そして、何よりお忙しい中この学校祭に足を運んでくださった、小さなお子様から高齢者までの多くの来場者の皆さま、本当にたくさんの方々のご協力のもと、今年の学校祭を成功させることができたと思います。そして、皆様には笑顔で帰って頂くことができ、私たち学生自身も心から楽しむことができたことにより、学校祭のテーマであるSTORYを、また新たに作り上げることができたと思います。

この学校祭を通して得た、支え合う気持ち、助け合うこと、来場者と共に創り上げていく力を後輩にも引き継ぎ、これからの学習や行事に活かしていきたいと考えています。また、今後も地域の方との関わりなどを通し、伝統ある学校ならではの魅力を、学外にも発信していきたいと思います。