令和４年度 米子医療センター 病院指標

呼吸器内科では、肺の悪性腫瘍、誤嚥性肺炎の症例が上位を占めています。

高齢化も一因と考えられる総胆管結石や膵臓がん、胆管がんによる胆道狭窄・閉塞に伴う胆管炎の患者さんが多く、内視鏡を用いた胆管結石除去や胆管ステント留置を行っています。また大腸憩室炎や虚血性腸炎も上位を占めています。
大腸がんは増加傾向にあり、当院も大腸がん検診に対する精密検査施行施設として大腸内視鏡検査が増えています。その際、発見される大腸ポリープに対して、外来での内視鏡的ポリープ切除を基本としていますが、年齢、併存疾患、病変サイズや個数などを考慮し、安全性を担保するために入院で治療を行う場合もあります。
早期胃がんや食道がんに対して低侵襲かつ術後QOL（Quality of life）を保つことができる内視鏡的切除（主に内視鏡的粘膜下層切開術）を行っています。また、適応を限り大腸病変に対しても内視鏡的粘膜下層切開術にも取り組んでおります。

循環器内科では、狭心症、慢性虚血性心疾患に加え、急性心筋梗塞、心不全など救急疾患に対する積極的診療を行っています。その他、ペースメーカなど不整脈治療も行っています。

小児科入院を必要とする疾患の多くは感染症です。今年度は特に乳幼児を中心とするRSウイルスやヒトメタニューモウイルスによる呼吸器感染症が流行し、その他喘息性疾患、嘔吐を伴う胃腸消化器疾患、インフルエンザや新型コロナウイルスなどの加療を行いました。

消化器外科では胃がんや大腸がんなどのがん医療を中心に集学的治療を行っています。その他、胆のう炎や鼠経ヘルニア、胆石症などの消化器外科治療を行っています。

二次救急を色濃く反映した形で、高齢者の外傷（主に骨折）を最も多く扱っています。したがって、外科的治療（骨接合術や人工骨頭挿入術）や脊椎圧迫骨折に対する急性期の保存的治療が多く、また、慢性疾患として変形性膝関節症に対する人工膝関節置換術やスポーツ外傷での膝前十字靭帯損傷に対する再建術が多いのが特徴です。
また、手の外科専門医が赴任し、救急や慢性の手の外科症例が増加しています。

胸部・乳腺外科では乳がん、気胸、肺がん、リンパ浮腫の患者数が多くなっています。
下肢静脈瘤については近隣病院での血管内焼灼術の普及により減少傾向です。

上部尿路結石（腎・尿管結石）に対する手術治療を行う患者様が年々増加しています。
前立腺がんの確定診断のための前立腺生検の入院も増加しました。
前立腺肥大症に対する手術治療を行う患者様は例年通りでした。

腎臓内科は、透析導入などを含めた慢性腎炎、慢性腎不全での入院が多くを占めています。
なお、患者数が１０未満の場合は、「－」ハイフンで表⽰しています。

⾎液腫瘍内科では、急性⽩⾎病、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群の症例が上位を占めています。
なお、患者数が１０未満の場合は、「－」ハイフンで表⽰しています。

主に糖尿病の検査、診断、治療を行っています。
体質に生活習慣の乱れが重なり発症する、2型糖尿病がほとんどですが、インスリン分泌の低下をきたす1型糖尿病や、他の原因によるタイプ等、治療戦略の異なる糖尿病を見逃さないよう注意しています。
個々に応じた食事・運動・薬物療法等の適切な指導が行えるよう、糖尿病療養指導士を中心に看護師、管理栄養士、薬剤師、理学療法士が協力して対応しております。
なお、患者数が１０未満の場合は、「－」ハイフンで表⽰しています。

緩和ケア内科では他院からの紹介により、頭頸部悪性腫瘍や婦人科領域の悪性腫瘍の緩和ケアが多くなっています。
なお、患者数が１０未満の場合は、「－」ハイフンで表⽰しています。

膵臓がん、胆道がんによる胆道狭窄・閉塞は閉塞性黄疸のみならず胆管炎を生じるため、内視鏡的胆道ステント留置術を行い、その後の治療方針を決めていきます。また、総胆管結石に対しては内視鏡的胆管結石除去術を基本としていますが、年齢、抗血小板・抗凝固剤服用の有無、胆管炎の重症度によっては胆管ステント留置によるドレナージを行う場合もあります。
大腸がんは増加傾向にあり、その精密検査として大腸内視鏡検査の件数も増えています。その際、発見される大腸ポリープに対して外来ならびに入院で内視鏡的ポリープ切除を行っております。
早期発見、早期治療を目指し、早期消化管腫瘍（食道がん、胃がん、大腸がん）に対しては、適応を十分に検討し内視鏡的切除術を積極的に行っております。
ヘリコバクター・ピロリ菌感染の減少、除菌の効果により、出血性胃・十二指腸潰瘍は減少傾向にありますが、止血治療の第一選択は内視鏡的止血術であり、消化器内科医が緊急で対応する、重要な内視鏡治療の一つに変わりはありません。

消化器外科での手術は半数以上を腹腔鏡手術で行っています。
がんの手術では胃がん、大腸がんを中心に行っており、その他胆のう摘出や鼠経ヘルニア手術を多くは腹腔鏡手術で行っています。

高齢者の骨折に対する外科的治療や慢性疾患（主に膝）に対する人工膝関節置換術が多いのが特徴です。最近では、転倒による前腕の骨折が特に多くなり、早期ADL獲得を目指し手術を行う症例が増加しています。
人口の高齢化に伴い、手術時平均年齢は高くなっています。可能な限り早期に外科的治療・リハビリを行い、在院日数の短縮を目指しています。

胸部・乳腺外科の⼿術別患者数では乳がん、呼吸器疾患（肺がん、気胸等）が上位を占めています。

上部尿路結石（腎・尿管結石）に対する手術件数が増加しています。
前立腺肥大症に対する経尿道的手術は薬物療法で十分な効果が得られない患者様に実施しています。