カテゴリーイメージ

ページタイトル頼りにされる病院に

平成30年4月1日  院長 長谷川 純一

この度、M副隆一先生の後任として4月1日より院長を拝命しました長谷川純一です。国立病院機構米子医療センターは近年大きく発展し、施設の刷新、高度医療の実践等で当地域の急性期医療の一翼を担っていますが、独立行政法人としての機構全体の状況や、医療制度の変化など、新たな課題に対処しつつこれまでの発展を維持していかなければなりません。非力ではありますが、全力で職務に当たりたいと思います。 当院はこれまで幾多の変遷を経て、地域医療支援病院として地域に貢献するほか、特徴ある専門医療として腎センター、幹細胞移植センターを拠点に献腎移植や非血縁者間の骨髄移植にも取り組んで来ました。また、地域がん診療連携拠点病院にも指定されており、手術療法、放射線療法を積極的に進めているほか、化学療法センターで最新のがん化学療法を行っています。一方、緩和ケア病棟も設置し、緩和医療への取り組みも進んでいます。この様な取り組みについて、市民公開講座などで度々情報発信し、多くの方々にご理解いただいて来ているのは嬉しい限りです。ただ、この春は、院長交代のみならず医師、事務職、看護職の指導的人材の移動があり、診療内容等も修正が必要になるようです。残った職員も、新しい職員も、当院がおかれている状況を正しく認識し、新しい発想で地域の方々とのコミュニケーションを深め、地域医療の質を向上させる流れを一層確かなものにして行きたいと思います。そこで、今年度の病院目標を「頼りにされる病院づくり」としました。 地域の患者さんやその「かかりつけ医」の先生方にも頼りにされる医療を行うには、勿論財政基盤の安定も必要ですので、引き続き業務の効率化などにも注意を払いたいと思います。この点ではチーム医療を最大限に活用し、業務の効率化に務めたいと思います。また、頼りにされる病院を目指して行動する上で配慮すべき点として、働きやすい職場環境が重要であると考えます。平昌オリンピック・パラリンピックが終わりましたが、若い選手達が記録を更新し、メダルを手にしながら試合を楽しめたと話しているのを聞くと、その昔、日の丸を背負って悲壮感に凝り固まって、実力が出せなくなる選手が多かった時代と隔世の感があります。日々のルーチンワークであろうと、滅多にない挑戦的業務であろうと、それができる状況にあることや、できたことに喜びを見出し、ポジティブな気持ちで働ける環境を目指したいと思います。政府の目指す時間的要素の強い働き方改革とはひと味違った、充実感のある働き方の実践を推進したいと思います。全職員の仕事の充実の先には、生活の質の向上が、さらに医療の質向上と、患者さんの生活の質の向上が繋がっていると信じます。 また、医療の質を向上させ、維持していくには未来を担う医師や看護師の育成も避けて通れません。全職員がポジティブな気持ちで職務を全うする現場において、初期臨床研修医が一生懸命研鑽に励み、また附属看護学校の学生も実りある実習を行うことで、優れた知識・技能・態度を身に着けて成長していただきたいと思います。 今年は診療報酬と介護報酬の同時改定ということで、医療機関には難しい状況が待ち受けている様ですが、全職員が協力して地域から「頼りにされる病院」となるよう取り組んで行きたいと考えています。どうぞよろしくお願いします。